みんなの夢が描きかけで終わらない
生きることの中には、時として不幸な時間も含まれてしまいます。
それは本人や家族の努力・協力だけでは動かせない時があります。
もっとも子供のことを愛し、よく知っている家族なのに。
けれども私たちは、同じような経験をした他人、気持ちは到底分からないかもしれないけど寄り添える他人が「できることがあったら言って」と近くに存在することで、不幸が一瞬、幸せへとかたちを変える場面を目の当たりにしました。
これからそんな場面を私たちと一緒に作っていただけませんか。
- 小児がん・心臓病など慢性的な疾患・長期にわたる治療や入院が必要な子どもたちとその家族の支援をします。
- 必要な情報をまとめたWEBサイトを作成し、情報を探す手間を省き、情報弱者の減少、更には香川県内で同じ経験をした方々の情報共有も目指します。
- ICTによるコミュニケーション・学習支援等も展開します。
未来ISSEYの始まり
香川県で病気と闘う子どもたちの「笑顔」と「明るい将来」を支えたいという思いで2018年11月にこの団体を設立しました。
私たちが支援の対象としているのは一過性の病気ではなく小児がん・心臓病など慢性的な疾患・長期にわたる 治療や入院が必要な子どもたちとその家族です。
長期入院・療養をしている子どもたちや家族は、病気への不安の中、治療のために社会・学校から孤立し、更に家族でさえも会うのを制限されたりと、生活の楽しみまで奪われます。この苦しい気持ちや状況は実際に経験していない方々には伝わりにくいかもしれません。でも、もしもご自身の大切な人が突然難病だと言われて、「治療のために長期入院してください、学校も仕事も人との交流も全部我慢してください、治療のためですから・・」と病室に閉じ込められたら・・・と想像してみてください。それが我が子であったら・・・
メンバーの中にもこのような体験をしてきた人がいます。
・・・・・子どもの突然の病気の発症、入院、副作用や痛みの強い治療、学校や日常生活からの隔離など、怖くて苦しくて、何もかもが真っ暗になりました。治療のためとはいえ、どうして家族がこんな状況に耐えていかなければならないのか、と思いました。
その後、香川県外での治療を選択し、こんな経験をしました。
病院の小児病棟のデイルームで、辛い治療を続ける子どもたちがサポーターや学生さんたちとアナログのゲームや談笑で盛り上がり、笑顔で過ごしている。お母さんたちは一緒に参加したり歓談したり、安心してちょっとした買い物に出かけたり。中には真剣な表情で勉強する子もいる。みんな思い思いに温かいひと時を過ごしている。
何故こんなに穏やかにいられるのか?と不思議ににすら感じました。この環境・企画を提供しているある団体の存在を知り、早速子どもも参加しました。子どもは定期的に年の近い学生さんたちとコミュニケーションを重ねることで、退屈で寂しい入院生活の中に明るさを少しずつ取り戻していきました。そんな我が子の笑顔を見て、私も冷静で落ち着いた気持ちをもてるようになりました。病気が医学の力によって良くなっていくことはもちろん大切です。しかし、病気になったことと同時に失くしたその子らしさや心の面にまで目を向け、病気の治療と同時進行でケアしてくれる人の存在が必要だったのです。子どもが病気なら、心のケアをする存在は母親や家族です。でも母親も家族も本人以上に現実にぶつかって傷ついて、実はケアをされなければいけない立場なのです。それなのに我が子のために無理をして気丈に振舞っている。そして治療が終わって退院しても、病気だった過去が色々な場面でつきまとい、時として心折れそうになる・・・・・
サポート団体の方々は、これ以外にも学習支援や訪問支援、ICTを活用した交流活動もされています。長期入院の子どもたちと家族に何が必要かを考え、押し付けることなくそれぞれのケースに合わせてニーズに答え、復学や社会復帰に向けて治療と両輪で寄り添ってくれます。母親や家族の相談にも親身になって耳を傾け、解決方法を探ってくれます。都会ではそういったことも対応できるのだと感動しました。
香川県では残念ながらそういった団体は見つかりませんでした。それならばつくればいい、都会で治療する場合と同じように力になってくれる団体が必要だと感じ、活動をスタートさせたのです。
長期入院が必要な子どもたちと家族に寄り添い支える試みを、この小さな香川県で実現することが、私たち経験者と経験者を知る者のライフワークであると考えています。
今はまだスタートに立ったばかりですが、私たちの支えを必要とされる方々に出会うこれからに向けて、準備しています
数少ない経験をした子どもたちが、負の経験を未来への正の(生の)経験に変換できるよう、全国の皆様にご協力を頂けるようお願い致します。
私たちが実現したいこと
1.ホームページの作成(2019年6月に公開)
病気になって必要なのがまず経済的な支援です。そして治療に関する情報です。現在様々な補助や助成金がありますが、それらを全て病院が教えてくれるのか・・・現状では難しいと言わざるを得ません。情報は日々更新されますし、対象となるものなのか、現代のネット社会ではたくさんの情報がある分、自分たちに必要な情報かどうなのかを精査するのにも大変な時間と労力が必要です。
その時間と労力を少しでも減らすため、病気の子ども達や家族に必要な情報を集約したサイトを作成していきたいと思っています。
それが実現することによって家族が時間をかけて情報を探す手間が省け、情報弱者の減少、更には同じ境遇・経験をした子どもたちや家族間での情報共有も可能になります。
特に学校などとの相談窓口ともなっていければ、子ども達の復学支援にもなります。
サイトを作って終わり、ではなく最新の情報を継続的にアップしていきます。また、HPからも病気の子どもたちや家族の現状を知ってもらい、支援してくれるボランティアを募り、子どもたちの学習支援やイベント企画など直接的な支援につなげていきたいと考えています。
2.チーム・グッドブラザー(支援ボランティア)
病院との連携がとれるようになれば、直接ボランティアが子ども達のところへと訪問し、一緒に遊んだり、学習支援を行い、行事にはイベントを開催して楽しい時間を共有し、子ども達の楽しみを増やしていきます。但し感染など安全には気を付けないといけないので、体調や状況をみながらのサポートになります!
3.広報活動
そして子ども達と家族を取り巻く環境と香川県の現状を多くの人に知ってもらうため、製作した映画の上映会や体験者の講演会など、ボランティアや支援の輪を広げるための広報活動を行っていきます。
4.OriHimeの貸し出し(コミュニケーションロボット)
更にコミュニケーションロボットを導入し、無償貸し出しを行い、ベッド上でも学習支援が受けられたり、家族や友人とのコミュニケーションがとれたりする環境をつくりたいと考えています。
ロボットを操作して登校できない児童が学校の授業やイベントに参加したり、入院前と同じように友達とのおしゃべりを楽しんだりと学習の支援だけではなく、入院生活のストレス軽減にもつながります。
笑顔で治療ができる香川県を目指して
広報MOVIE
長期入院や療養中の子どもたちや家族の現状や必要なサポートについては、少数ということもあり、なかなか広く知られていません。 その中でまず現状を知ってほしいと取り組んだのがショートムービーの製作です。
言葉では伝わりにくい子どもたちの寂しさや取り巻く環境を映像化し、より理解してもらうことができる考えています。
また、こちらは2/9~11に開催された「さぬき映画祭2019ショートムービーコンペティション」に出品し、多くの方に共感をいただき、4位に入賞しました。
そして今後は広報用ムービーとして各地での上映会を行う予定です。